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連続式過熱水蒸気調理機を用いた食品の調理特性について ― スチームコンベクションオーブン加熱との比較―
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File / Name | License |
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本文 |
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アイテムタイプ | レポート / Case Report |
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言語 | 日本語 |
キーワード |
過熱水蒸気オーブン, 蒸気加熱, オーブン, 蒸気, スチームコンベンションオーブン |
著者 |
長谷川 千紗
岡田 希和子 ( 研究者リゾルバーID: 1000000351213 , 科研費研究者番号: 00351213 ) 岸本 満 松下 英二 |
抄録 |
【目的】連続式過熱水蒸気調理機(SV ロースター HOTMAX SVM-3WLT:以下SVM)は、過熱水蒸気の特性を活かしたコンベアー式のオーブンである。これまでに過熱水蒸気による油脂の酸化抑制、ビタミンC の破壊抑制、脱油効果などの研究が報告されているが、人間の五感や嗜好を用いて、製品の品質を測定・評価する官能評価の報告はみられない。本研究では、過熱水蒸気オーブン加熱による食品への調理特性の影響について、大量調理の場で使用頻度の高い調理機であるスチームコンベクションオーブン(Steam convection ovens 以下SCO)を比較対象とし、官能評価により検討した。
【方法】SVM およびSCO で加熱した試料(鶏胸肉・にんじん・ブロッコリー・じゃがいも)を用いて、官能評価を実施した。被験者(パネリスト)は名古屋学芸大学管理栄養学部の1 年生42名(性別:男性5名、女性37名、年齢:18歳37名、19歳4名、31歳1名)である。評価項目は「色の良否」「色の強弱」「外観の総合評価」「香りの良否」「香りの強弱」「硬さの良否」「硬さの強弱」「テクスチャー(質感)の総合評価」「水分量の強弱」「甘味の強弱」「味の総合評価」「総合評価」の12項目とし、7段階評価を行った。同時に、SVMおよびSCOで調理した試料のどちらが好みであるかの2点嗜好法による評価も行った。 【結果】鶏胸肉では「香りの良否」「香りの強弱」「甘味の強弱」「味の総合評価」について、SVMの方が有意に良い(強い)と評価された。にんじんでは「硬さの強弱」についてSVMの方が有意に強いと評価され、「水分量の強弱」についてSCOの方が有意に強いと評価された。ブロッコリーでは「硬さの良否」「テクスチャーの総合評価」についてSVMの方が有意に良いと評価され、「色の良否」「色の強弱」「外観の総合評価」「水分量の強弱」についてSCOの方が有意に良い(強い)と評価された。じゃがいもでは「硬さの強弱」についてSVMの方が有意に強いと評価され、「香りの強弱」についてSCOの方が有意に強いと評価された。また、2点嗜好法による評価では、鶏胸肉はSVMが有意に好ましいと評価された(p=0.044)。一方、他の食品では有意差は見られなかった。以上の結果より、共通して有意差が見られた項目はなかったため、過熱水蒸気の特性がすべての食品に活かされるとは考えにくい。今後、食品や調理法に適した過熱水蒸気オーブンの活用法の検討が必要だと考えられる。 |
雑誌名 | 名古屋栄養科学雑誌 |
雑誌名(英) | Nagoya Journal of Nutritional Sciences |
号 | 3 |
ページ | 93 - 101 |
発行年 | 2017-12-22 |
出版者 |
名古屋学芸大学管理栄養学部
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ISSN |
21892121
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大見出し | 報告 |